腹式呼吸 誰でもできる超簡単な実践方法

腹式呼吸 なぜかうまくできない

 ヨガや瞑想の際には必ず腹式呼吸を行います。私、天蔵のタントラセラピー(タントリックヒーリング、子宮ヒーリングも同様)の際にも腹式呼吸を行っていただくのですが、うまくできないという人がけっこういらっしゃいます。息を吸う際に、無理にお腹を膨らましていて、不自然であったり、腹式呼吸することばっかりに意識がいってしまっている場合はリラックスできません。

 今回は、腹式呼吸のメリットや、方法、そして最後に誰でもできる超簡単な裏技をお伝えします。すぐに実践できますので、ぜひ読みながら試してください。

胸式呼吸と腹式呼吸

 息を吸ったり吐いたりする時には肺に空気が出入りしているということは皆さんご存知だと思います。しかし、肺自体が動いて呼吸をしているわけではなく、横隔膜の動きによって呼吸が行われます。横隔膜とは、胸と腹をわけるようにして張られた膜で、筋肉でできています。息を吸う時には横隔膜が下がり、吐く時には上がります。

 呼吸には胸式呼吸と腹式呼吸の2種類がありますが、胸式呼吸では横隔膜をあまり下げずに呼吸をしています。浅い呼吸で、一度に吸うことができる空気は少ないですが素早く呼吸することができます。一方で腹式呼吸は横隔膜をめいいっぱい下げる呼吸です。胸式呼吸と比べると3倍くらいの空気を吸うことができます。

 一般的には起きている時は胸式呼吸をしていますが、寝ている時は勝手に腹式呼吸になります。腹式呼吸ができないと思っている人は、横になってリラックスしていると腹式呼吸になります。

腹式呼吸のメリット

・リラックスできる

 腹式呼吸を行うことで体や心の緊張がとけてリラックスするということもできます。お腹を膨らませながら、たっぷりと息を吸い込み、ゆっくりと吐きます。吐いている時には副交感神経が活発になることで、リラックス状態になります。緊張している時などは、一呼吸でもいいので、しっかりと吸って吐くだけでリラックス効果があります。

・声が通りやすくなる

 声が小さいとお腹から声を出せと言われますが、腹式呼吸で吸い込んだ息を吐きながら声にすることで大きな声、とおる声を出すことができます。

・免疫力のアップ

 腹式呼吸で副交感神経が活発になるとリンパ球を増やすことができます。リンパ球とは血液中の白血球の一部であり、細菌やウイルスなどが入ってきた際には菌を攻撃することで、体を病気から守ります。

・インナーマッスルが鍛えられる

 横隔膜は筋肉でできています。腹式呼吸を行うことで横隔膜や周りの筋肉も活発に動き、鍛えられます。

腹式呼吸の方法(一般編)

1 お腹に手を当てる

 腹式呼吸はリラックスした体制で行います。ゆったりと座ることのできる椅子か、仰向けになった状態で行います。仰向けの場合は、膝を少しだけ立てる方が横隔膜が動きやすくなります。ヨガや座禅の体制で腹式呼吸を行うことができるといいのですが、慣れない人はまずは椅子か仰向けからスタートしましょう。お腹が膨らむのがわかるように、また意識がむくようにお腹に手を当てます。

2 鼻から大きく吸い込む

 普段の呼吸の3倍の空気を吸い込みます。普段よりも大きく吸い始めるとお腹が膨らみ始めますので、そこからお腹を膨らませながら大きく吸い込んでいきます。普段、腹式呼吸をしていない人だと違いがよくわかります。

3 鼻から長く吐く

 腹式呼吸の方法で鼻から吸って口から吐くという方法もありますが、どちらでもけっこうです。口から吐く場合は、細く長く、遠くに飛ばすイメージで吐いてください。鼻から吐く場合は、ゆっくりと長く吐くイメージです。吸う時の時間よりも、吐く時間を2倍くらいかけるイメージです。

 最初の頃は3秒で吸って、いったん止める、それから6秒で吐くくらいでスタートしていきます。ヨガの訓練を行うと一呼吸で1分以上かけることもできるようになります。吐く時間を長くすることで、副交感神経が作用してリラックスできます。

4 繰り返す

 1日に5分から15分くらい、寝る前に行うと寝付きがよくなります。

腹式呼吸(裏技編)

 腹式呼吸の一般編もやっていただきたいのですが、あれこれ考えなくて勝手に腹式呼吸になる方法があります。これは立っている状態でも行うことができます。その秘密は指の形。

 そんなことないだろうと思われるかもしれせんが、実際にやってみてください。

実験1 立った状態で拳を握りしめて呼吸

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 立った状態で、両方の拳を握って呼吸を行います。特に呼吸に意識はしないでください。しばらくしたら、自分がどんな呼吸になっているかを感じてください。

 胸で呼吸、胸式呼吸になっていることを感じると思います。

実験2 立った状態で、小指と薬指だけを折り曲げて呼吸

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 立った状態で、小指と薬指だけを折り曲げて呼吸を行います。呼吸は意識しないで、しばらく呼吸を続けます。そして、自分の呼吸に意識を向けてください。

 腹式呼吸を行っていることに気づくはずです。

 これに関しては、なぜかは解明されていませんが、実験を行うとほとんどの人がこのようになります。理由はわかっていないのですが、実は昔の人は知っていました。

 ヨガの呼吸をする際に、小指と薬指を曲げて、中指と人差し指を眉間において、片鼻ずつ呼吸をするナーディショーダナという呼吸法があります。(知らずにやると危険ですので、詳しい方法はこちらから)

 また、剣道では小指と薬指で竹刀を握りますし、空手においても小指と薬指から拳を握ります。この手の形は腹式呼吸になるだけではなく、力が入りやすくもなります。

まとめ

 以上、腹式呼吸の効果とやりかた、そして裏技までお伝えしました。裏技については、スポーツの大会や、人前でスピーチをする時に緊張してしまいそうな時にもお使いください。

 日常生活の中では、胸式呼吸で呼吸が浅くなってしまいがちです。ストレスがたまると余計にそうなりますし、寝る時間が短くなると腹式呼吸の時間が短くなってしまいます。副交感神経が働かない状態が続くと、体調不良の原因にもなりますので、できれば毎日、腹式呼吸を実践していってください。