この考え方が子供を不幸にする 「私はどうなってもいいから この子だけは」

自分はどうなってもいいから

 シングルマザーの方の相談にのった際に、3名ほど同じようなパターンがありました。子供のことを大切に思っていらっしゃるのですが、「自分が犠牲になっても、自分は不幸になってもいいから子供には幸せになってほしい」とおっしゃいます。しかし、残念ながらこの考え方こそがお子さんを不幸にします。

 シングルマザーでなくても、お子さんや、パートナーなど近くにいる人を不幸にしてしまう考え方がありますので、気をつけてください。

 一見するとものすごくいいお母さんに思えます。そして話を聞いていくと、ご自身がものすごく不幸だったことを話してくれます。ほとんどの場合で、DVを受けて離婚をした。養育費ももらえていないという話になります。厳しい環境ではあるのですが、この不幸は自分から引き寄せているんだということがわかります。

見えてきたの共通点

 このような方にはいくつかの特徴があります。

・「自分はダメだ」「こんな自分は不幸になってもいい」と口癖のように言う。

・環境のせい、周りのせいにする

・悪口を言う

 自己肯定感が低いのですが、一方で自分が不幸であること、自分が恵まれない環境であることをアピールして注目を集めたいという潜在意識があります。おかしなことのように聞こえますが、自分が不幸でなくなってしまい、注目を集められなくなることを恐れています。

 「自分はどうなっても この子だけは」という言葉は、子供の幸せを願っているように見えますが、実は「自分がどうなってもいい」と自分が犠牲になるということを目的としてしまっています。だから、わざわざよく口に出して「自分はどうなってもいい」と言うのです。このような呪文を唱え続けられた子供は、何かをしてもらったとしても決して幸せを感じることができません。

 経済的に大変な状況であれば、子供たちには「一緒に我慢しよう」、高校生にもなれば家計を助けるために働いてもらえばいいのです。このように育てられれば、子供たちはいち早く自立することができますし、きちんと愛情も感じることができます。

幸せは伝染する

 本当に子供に幸せになってほしいと思うなら、自分自身が幸せになることです。ハーバード医科大学のニコラス・クリスタキス 氏とカリフォルニア州立大学サンディエゴ校のジェームス・ファウラー 氏の研究によると幸せは伝染するという結果となりました。特に同居人の幸せの変化は大きく影響します。