なぜタントラセラピーの前に合掌をするのか


合掌について、改めてその意味を考えました
ータントラセラピーの前に、なぜ手を合わせるのかー

 タントラセラピーの施術に入る前、合掌をします。両手を胸の前で合わせ、「謙虚に施術させていただきます」「●●さんに全ての愛を注ぎます」と2つの誓いを立てています。一人ひとりのクライアントさんにしっかりと向き合おうと思って、2つのことを唱え始めたのですが、その時、自然と合掌をしていました。

 僕たち日本人にもすごく馴染みのある合掌についてですが、どういう意味があるのかということについても調べてみました。


合掌(アンジャリ・ムドラー)の起源と身体的な意味

 合掌の起源は古代インドだと考えられています。ムドラーの一つである「アンジャリ・ムドラー(Anjali Mudra)」という身体所作が合掌の起源です。ムドラーとは印(いん)のことで、瞑想の時に親指と人差し指で輪っかを作るギャーナ・ムドラーも有名です。


「アンジャリ・ムドラー(Anjali Mudra)」はサンスクリット語で、
・Anjali:捧げる・敬意
・Mudra:印・身体の形

を意味します。

つまり合掌とは、敬意を身体で表すためのジェスチャーです。

 元々は、敵意がないことや、武器を持っていないことを表していたそうなのですが、そこから、哲学的・瞑想的な意味合いも加わっていきました。


合掌がもつ3つの意味と、セッションで起きること

たくさんの意味合いがありますが、大きく3つの意味を説明します。

① 意識を「中心」に戻す
 両手を胸の前で合わせることで、注意が外界から内側へ戻り、呼吸が整います。これは自分の中心(今ここ)に戻るための身体操作です。天蔵が、合掌しているのも、この感覚が強いです。

 体の中心で合掌することで、エネルギーも手のひらに溜まる感じがあります。

② 左右・内外を統合する
 左右の手を合わせる動きは、理性と感覚/能動と受動/外向きと内向き、といった分かれていた要素を一度まとめる象徴的な動作です。タントラにおける「統合」を、最小の動きで表します。

③ 関係性をフラットにする
 合掌は上下を作りません。「あなたを操作しない」「対等に向き合う」という意思を、言葉より明確に示す所作です。タントラセラピーでは、深いセッションになると、セラピスト・クライアントという区別がなくなってきて、二人のエネルギーが交わる感覚があります。


合掌という、小さな入口

 こうして改めて合掌について考えてみると、タントラセラピーの前に自然と手を合わせている理由が、少しずつ言葉になってきた気がします。合掌は特別な儀式というよりも、自分の中心に戻り、相手と対等な場所に立ち、余計な力を抜くための小さな確認なのかもしれません。

 セラピストとクライアントという枠を超えて、同じ人間として、同じ身体として、同じ場にいる。そのために、手を合わせるというシンプルな所作が、そっと助けてくれているように感じます。これからも施術の前に合掌をしながら、「今ここ」に戻り、目の前の人と静かに向き合っていきたいと思います。