「タントラセックス」とは、一言でいうと「エネルギーで行うセックス」です。インドにある「タントラ」の思想や原理を元にしたもので、一般的なセックスとの違いは、性器の挿入や射精を目的としていないことです。

 元々は5000年以上前からインドで生まれたと考えられていますが、男女が協力して眠っているエネルギーを呼び起こし、上昇させていくとい瞑想のようなものでした。

 1960年代頃から西洋においても「タントラセックス」が伝わり、西洋文化と融合したものが、1990年代にニューエイジ的な思想と共に広がっていったと考えられます。このような西洋文化での「タントラセックス」「ネオタントラ」は、挿入や射精に重きをおき、精神的な向上について見落とされてしまっているものも多いと感じています。

 今回、ここでご紹介する「タントラセックス」については服を着たまま、もちろん挿入や射精は行わない、また性器や性感帯に触れることもしない、純粋なエネルギーセックスについてご紹介していきます。

 なんだと思われるかもしれませんが、パートナーとのエネルギーが交わりながら行うタントラセックスはなんとも言えない多幸感を味わうことができます。一般的なセックスで感じることができない、持続的なオーガズムを感じることができます。

タントラセックスでオーガズム

 タントラセックスで感じるオーガズムは経験していただかないとわかりませんが、さまざまな経験者の感想をご紹介します。

・宇宙とつながることができました。
・なんとも言えない幸せな感じで・・・・




タントラセックスでは何が起こっているのか

 タントラセックスで起こっていることをヨガ的に解説をしていきます。ヨガでは、体のエネルギーの通り道や出入りする場所としてチャクラというものがあると考えています。チャクラは7つあり、会陰部(性器と肛門の間)の第1チャクラ(ムーラダーラ)から、頭頂部にある第7チャクラ(サハスラーラ)まで、背骨に沿ってまっすぐ伸びています。

 会陰部の第1チャクラ、子宮・丹田にある第2チャクラにはシャクティと言われる性エネルギーがあるとされています。これが目覚め、上昇していき、チャクラの門を開いていきます。そして、頭頂部の第7チャクラに達することをクンダリニー覚醒と呼んでいます。仏教でいう解脱も同じような状態であると考えられています。

 7つのチャクラについて、詳しくはこちらをご覧ください。

タントラオーガズムの脳科学的な説明

 ここまではヨガ的な説明、東洋的な説明を行ってきましたが、現代社会に生きる人には、よくわらない、胡散くさい、スピ系ね、などと思われてしまうかもしれません。本当は感じていただく方がいいのですが、タントラセックスにおけるオーガズムの際に何が起こっているのかについて論理的に西洋医学的に脳科学的なご説明を行います。

 人間の体には、神経伝達物質やホルモンというものが存在します。神経伝達物質は神経を通じして、ホルモンは血液を通じて、どちらも体のさまざまな部分に働きかけて機能します。同じ物質が神経伝達物質として働くこともあれば、ホルモンとして働くということもあります。

 代表的な神経伝達物質・ホルモンとして以下の7つをご紹介しておきます。

・セロトニン
・メラトニン
・ドーパミン
・ノルアドレナリン
・GABA
・オキシトシン
・グルタミン酸

 普段、私たちが行っているセックスでは主にドーパミンが放出されます。ドーパミンは大変強い快感を感じることができます。スポーツをしている時、ゲームに夢中になっている時、ギャンブルをしている時などにもドーパミンが分泌されます。

 ドーパミンの特徴としては、刺激への耐性がつきやすいということです。慣れやすいということです。最初はすごく美味しくて感動したけど、2回目に食べるとそうでもなかった。ギャンブルはわかりやすいのが、最初は1万円で興奮できていたのに、10万円、100万円、エスカレートしていき100億円を溶かすといったことが起こったりします。

 セックスにおいては、もっともっと強い快楽を求めていき、アブノーマルなプレイ、SM、ドラックなどに手を出してしまう人もいます。ドーパミン型の快楽の追求には終わりがありません。

 一方で、オーガズムの感じ方にはもう一つ、オキシトシンという成分も働きます。オキシトシンは神経伝達物質としてもホルモンとしても作用します。オキシトシンが分泌されると30分くらい続く多幸感を味わうことができます。

 自分と他者、自分と世界との隔たりがなくなったような感覚にもなり、宇宙とつながるというような表現はこのような感覚なのかもしれません。オキシトシンは楽しく食事をしたり、お母さんが赤ちゃんにおっぱいをあげている時にも分泌されています。授乳中はお母さんも赤ちゃんも幸せな気分になれるのは、オキシトシンのおかげです。

 タントラセックスにおけるオーガズムや心地よさは、ドーパミンが全く出ないわけでありませんが、オキシトシン中心の心地よさです。ドーパミンとの違いは、何度経験しても同じような強さの心地よさを味わえるということと、長く続くということです。

脳波について

 タントラセックスを行っている時の脳波についても説明しておきます。


タントラセックスのやり方

リラックスできる環境を整える